FXでトルコリラや南アフリカランドなどの政策金利の高い通貨を『スワップポイント』目当てで貯金のように積み立てて行くスワップ貯金が注目されています。
例えばトルコリラは現在(2018年9月)の政策金利が24%とめちゃくちゃ高いので買いポジションを持てば年利15%超えも不可能ではありません。
しかし、高金利なのには必ず理由があります。
なぜ多くのFX業者やアフィリエイターがトルコリラや南アフリカランドなどの高金利通貨を勧めてくるのかを知っておきましょう。
そして、ノミ行為が疑われるFX業者でスワップポイントを狙うより、専門のスワップファンドに投資した方が断然低リスクでリターンを狙えます。
もくじ
スワップポイントは『塵も積もれば山となる』
スワップポイントとは2国間の政策金利差により生じる利息のことです。
日本のような超低金利(0.01%)の通貨で、トルコリラのような超高金利(24%)の通貨の買いポジションを持つと、金利差により毎日スワップポイントが入ります。
例えば、最近トルコリラのスワップポイントで大々的にPRを行っている「みんなのFX」なら、1万トルコリラあたり1日100円程度がもらえます。
資金100万円だと?
例えば1トルコリラ=20円の時に、5万トルコリラを保有したとします。
すると100万円の資金で1日500円のスワップポイントがもらえるので、月間で15,000円、年間だと182,500円にもなります。
これは元金に対して年利18.25%なので不動産も真っ青な高利回りです。
多くの日本人が『死に銭』を貯め込んでる銀行預金だと100万円を1年間預けても数百円の利子しか付きませんから、ワップポイントを貯金のように運用することはとても魅力的に感じます。
更に、FXならレバレッジを掛けられるので、2倍、3倍とリスクをとれば受け取るスワップポイントも倍々になっていきます。
年間で100万円を超えるスワップを受け取ることもできるでしょう。
一見、『積立』すればリスクが低く見える
一括で買いポジションを持つのではなく、少額のポジションを定期的にor相場が動く都度入れていけば、貯金のように積立て行くことができます。
相場を読むことなく機械的にポジションを入れるので、いつ買えば悩む必要がなく、安い時にポジションを持てれば平均の購入単価を下げることもでき、一括でポジションを持つよりリスクを抑えることができるようにも思えます。
しかし『スワップ生活』は言うほど簡単ではない
年利数%を超えるように見えるトルコリラや南アフリカランドの『スワップ生活』は非常に魅力的ですが、言うほど簡単ではありません。
と言うのも、一般的に金利が高い国は『経済新興国』です。
これはトルコや南アフリカも例に漏れず、対外的に資金を流入させるためにあえて金利を高くしなければ立ち行かなくなっている現状があり
政策金利が高い=為替変動(下落)のリスクが高い
ことを忘れてはいけません。
『スワップ生活』と聞こえはいいですが、高いリスクと隣り合わせであることを忘れてはいけません。
続くトルコリラの下落
画像は月足で見たトルコリラのチャートなのですが、見事な右肩下がりになっています。
2018年8月には急落してついに史上最安値を更新し、暗号通貨張りの下落の末ついには16円台を記録しました(^-^;
トルコリラの下落は欧州やトルコの銀行にとってリスク要因となる水準まで下落しているので、世界の金融市場における懸念材料にすらなっている始末です。
トルコと米国の関係悪化
トルコリラの下落原因といえば『アメリカとの関係悪化』でしょう。
2016年6月に軍によるクーデターが失敗。
この時、米国人牧師アンドリュー・ブランソン氏を軟禁したことをきっかけに、両国の関係は悪化の一途をたどっていきます。
2018年7月にトランプ米大統領が
『ブランソン氏を釈放しなければトルコに「大規模な制裁」を発動する』
と警告。
更に8月にはトランプ大統領がトルコからの輸入関税について
『アルミニウムを20%、鉄鋼を50%に引き上げる』
ことを承認。対米関係の緊張を背景に、トルコリラが1日で20%も下落しました(^-^;
これではいくら破格のスワップポイントを得ることができても、ポジションは大きな含み損を抱える(それどころかロスカット)ことになってしまいます。
なぜFX業者はリスクの高いトルコリラを勧めるのか?
FX業者は『スワップ貯金最高!!』みたいなPRを打つわけですが、なぜこんなリスクの高い通貨を勧めるのでしょうか?
本来、FX業者の利益はユーザーが取引を繰り返すことで得られる取引手数料(スプレッド)です。
しかし、スワップ狙いのポジションは『基本放置』なので、言っていることとやっていることが全く違うと思いませんか?
ユーザーが負けることがFX業者の利益『ノミ行為』?
FXは『9割の人が負ける』と言われるように、非常に厳しい世界です。
このような『殆どの人が負ける』場合、FX業者はユーザーの買い注文を『通したことにして(飲み込む)』ユーザーが損切やロスカットで負けた資金を利益とする方が効率が良くなります。
商品取引員(いわゆる先物会社)が客から商品の売買を委託されたが、取引所で売買せず商品取引員自身が売買の相手方になって、商品取引員が有利なように取引を行なう。その一方で、客には取引所で売買したことにして手数料や証拠金を徴収する(証券会社と有価証券に関する上記と同様の行為もノミ行為という)。
このような業者は、相場が顧客の予想と逆の動きとなった場合は、委託金をそのまま業者の利益とし、一方、予想どおりの動きとなり客に委託金以上の金額を返還しなければならなくなった場合には、その金額を元手に次の取引を勧め、その顧客の予想が外れるまで継続させることにより、結果的にノミ行為を行った業者のみに利益が生ずることとなる。
参考:wikipedia
実はFX業者に関してはノミ行為は禁止されていません。
本来の取引の図式
本来はユーザーのオーダーはレートを決めている銀行に通すべき
オーダーを『飲み込み』MT4を操作?
詳細な説明は複雑になるので割愛しますが、FX業者がMT4を操作して『約定拒否』『スリッページ』『ストップ狩り』『勝っている人の口座凍結』を行っているのではないかという噂は絶えません(^_^;)
FX業者の利益はユーザーの損失
FX業者の損失はユーザーの利益
と言われている所以です。
スワップ狙いならスワップファンドに任せた方が…
僕の持論なんですがFXはトレードをするものであって、スワップ金利を狙いに行くものではありません。
『餅は餅屋』ではないですが、スワップ金利の運用をしたいならスワップファンド(スワップ運用を専門にするファンド)に任せた方が絶対に良いです。
FX業者でスワップを狙うと
- 異業者両建てで元金が半分に
- 徹底した資金管理が必要
- MT4を操作される
などなど、手法が商材化されるほど面倒くさい手順とノウハウが必要です。
そんな面倒くさいことはせずに、スワップを狙うなら素直にスワップファンドに投資した方が断然楽でリスクが低いと思うわけです。
海外のファンドなのでブログで詳しくは書きませんが、LINE@で直接問い合わせて頂ければと思います。