成田空港から1日1便のカンボジア直行便が就航し『プノンペン商業銀行の口座開設』への注目が高まっています。

実はカンボジアと日本は未だに国交が結ばれていませんが、にも拘らずプノンペン商業銀行では国外の非居住者でも比較的簡単に口座開設が可能です。

魅力は高金利なドル建て定期預金ができること。

2016年現在の日本では普通預金の金利は0.01%がほとんどで、定期預金でも0.1~0.2の世界です。100万円を1年預けても利息は1000円にもなりません。

ところがプノンペン商業銀行は12ヶ月の定期で年6%もの利息がつきます。100万円預けたら1年に6万円ですから、その凄さが分かります。

『うわ!マジですごくね!?』

と、ミーハーな私は簡単に飛びついてしまうのですが、ちょっと落ち着いて…

田舎のサラリーマンがカンボジアのプノンペン商業銀行で口座を開設するメリットがあるのかを考えてみました。

やはり魅力は圧倒的な金利

なんといっても魅力はその圧倒的な金利です。

現在のプノンペン商業銀行の年利率は

普通預金で年利率1.2%

定期預金(12ヶ月)で年利率6.0%

となっていますから、スゴイですよね?

当然、定期預金の期間を長くすれば年利率は上がっていき…

1ヶ月…2.50%

2ヶ月…3.00%

3ヶ月…4.00%

6ヶ月…5.00%

12ヶ月…6.00%

24ヶ月…6.20%

36ヶ月…6.70%

48ヶ月…7.00%

60ヶ月…7.30%

と、最大5年で7.30%まで上がります。

例えば400万円(私のサラリーマン年収w)を5年定期にすれば単純計算で400万円×7.30%×5年=146で合計146万円もの利息が付きます。

年収400万円のサラリーマンが5年で146万円を貯金できますか?

既婚や子供が居る場合は無理なのではないでしょうか?

ただし、サラリーマンにはハードルが高い

こんな素晴らしい銀行なら皆がこぞって全財産を預けているはずですが…

実はプノンペン商業銀行の口座を開設するうえで無視できないデメリットもいくつかあります。

ペイオフが効かない

まず第一に、プノンペン商業銀行は香港のHSBCなどの世界的なメガバンクと違いペイオフが効きません。なので銀行が破綻すればお金は1円も戻って来ません。

プノンペン商業銀行に限らずカンボジアの銀行全部に言えることなので預金というより新興国への投資と考えた方が良さそうです。

利息が旅費と相殺されてしまう

プノンペン商業銀行の口座を開設する時に考えておくべきは旅費との兼ね合いでしょう。

現在のところ口座は本人が直接カンボジアまで赴かないと開設できません。そして、開設した数カ月後にキャッシュカードを本人が取りに行かなければいけません。

つまり、プノンペン商業銀行の口座を開設し運用するには最低2度のカンボジア渡航が必要なのです。

近所の地方銀行に口座を開設しにいくのとは話が全然違うんですね…

ちなみに旅費をざっくり計算してみると…

東京―プノンペン間の航空券はだいたい40,000~70,000円。

最低限の滞在費が2~3万円。

これらを合わせると1回7~10万円、2回行くと14~20万円くらいは掛かりそうです。当然、渡航する季節をいつにするかでも数万円の開きが出ます。

いくら年利率6%で預けても、ハンパな預金額ではなかなか旅費をペイできません。

数百万円クラスで預金できるなら1~2年で旅費がペイされるかもしれませんが、サラリーマンには簡単に用意できるお金ではないですよね。

利息は課税対象

また、税金面も運用益を圧迫します。

12ヶ月ものの定期の年利率は6%ですが、非居住者には利息分の14%が税金として引かれるので実質的な年利率は5%ほどになります。

ネットバンキングがない!

プノンペン商業銀行にはネットバンキングがまだありません。

将来的に整備されて全世界からアクセス可能になるかも、とのことですが、とりあえず今はできません。

なので、額面の確認や資金の移動が日本からできないのです。

ただし、2016年からキャッシュカードの他にVISAデビッドカードを発行できるようになったので、PLUSマークのあるATMから出金することは可能になりました。

いざという時の資金の引き出しは可能です。

それでも口座開設したいなら?

高い年利率の替わりに、それなりのデメリットがあるプノンペン商業銀行ですが…

もし、それでも口座を開設したいなら、具体的にいくら貯金するべきなのでしょう。

ちょっと考えてみました。

とりあえず、旅費をペイできなければ意味が無い

まず第一にこれです。

渡航に旅行や現地視察など他の目的があれば話は別ですが、旅費をペイできないなら投資目的で口座開設する意味は無いと思います。

あくまで私の意見ですが、5年ないし10年のスパンで最低限の旅費(20万円)をペイできるくらいの額を預け入れるべきかなと。

となると…複利で計算した場合

(利息は普通口座への繰り入れか、定期口座での複利運用か選択できる)

5年ペイの場合

5年ペイだと約70万円

10年ペイ

10年ペイだと約30万円

を預けてやっと旅費が返って来ます。

これを高いのか、安いのか、長いのか、短いのかを判断するのは本人次第ですが…

これ以上の額を預けられないなら口座開設の意味がないのではないかと思います。

若いうちは攻めても大丈夫?

よく、資産の何割を投資に回せば良いのかを論じる時に「100-年齢」と言われることがあります。

これは、若いうちなら失敗しても資産を持ちなおせる可能性が高いので『積極的に投資しよう』というものです。

私と同じ30代に当てはめてみると…?

30代の平均貯蓄額は328万円と言われていますから、単純計算で7割の229.6万円は投資に回しても良い計算になります。

が、無理ですよね?ww

そんなに投資すると残る資産は約100万円です。私のような30代既婚の貯蓄が100万円って非常に心もとないですよ。

1000万貯金があって300万円残るのと話が違います。なので、平均的な年収・貯蓄のサラリーマンがプノンペン商業銀行の定期預金で資産を増やそうとするならば

  • 2年、3年の定期で利率を上げる
  • 無理のない範囲で元本を上げる(100万円とか)

ことでさっさと旅費をペイしてしまう必要があるのではないかと思います。

『新興国への預金は投資』と捉えて、くれぐれも生活費を注ぎ込まないようにしなければいけません。